本格的キャッシュレス時代へ 給与や経費精算等への準備必要に
経済産業省は「キャッシュレスの将来像に関する報告書」を公表、その実態調査の中で、日常生活において「7~8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人が全体の54%を占め、消費者の中にキャッシュレスが広く浸透している状況が浮き彫りになりました。
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同調査はキャッシュレスをクレジットカード、デビットカード、電子マネー等と規定し、対象業種をスーパー、ドラッグストア、コンビニ、百貨店等として、全国の18~79歳の消費者を対象に22年11月にWebで実施。
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その結果、月々の支出金額に占めるキャッシュレス決済の割合は47%、口座振込・振替を含めるとその比率は67%に達したといいます。業種別の決済では、百貨店、家電量販店、ホテル・航空券はクレジットカード利用が50%以上、コンビニはQRコード決済、電車賃は電子マネーが中心とのことです。
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また、直近の報道によるとクレジットカードや電子マネー、QRコードなどの決済額は2022年に前年比17%増の111兆円に上ったといいます。キャッシュレス比率は36%となり、米欧の6割と比較すると見劣りしますが、右肩上がりで伸びている様子です。
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賃金のデジタル払いについては、4月1日から資金移動業者が厚生労働大臣に指定申請を行い、申請受理後同省で審査したのち、基準を満たした場合は同省により指定を受け、デジタル払いが可能となります。
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導入への手順としては、労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者と、賃金デジタル払いの対象となる労働者の範囲や取扱指定資金移動業者の範囲等を記載した労使協定を締結する必要があります。
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その上で、個々の希望者は、留意事項等の説明を受け、同意書にデジタル払いで受け取る賃金額や、資金移動業者口座番号や捕捉情報等を記載して、使用者に提出することが必要になります。
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電子帳簿保存法に関する2020年度の税制改正によって、キャッシュレス決済の紙の領収書は不要になり、データのみの保存が認められるようになりました。法人カードや会社用スマートフォンでの電子決済の利用など、私用と分けてキャッシュレス決済を行うことで、経費精算の自動化の環境が整いつつあります。
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JPBMでは間接業務の効率化に寄与するキャッシュレスの潮流を押さえつつ、中小企業の経営管理ノウハウ・ツールを提供しながら生産性向上を支援します。
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後継者決定いまだ10%、廃業60%弱 対応進まぬ事業承継問題
中小企業の事業承継の見通しをみると、後継者が決まっており後継者本人も承諾している「決定企業」は 10.5%にとどまり、後継者が決まっていない「未定企業」が 20.0%、「廃業予定企業」が 57.4%、「時期尚早企業 」が 12.0%となっています。
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「廃業予定企業」の割合は、2019 年調査の52.6%と比べて 4.8 ポイント上昇しています。ただし従業者数の割合をみると「1~4人」の企業が81.8%となり、規模が小さい企業が大部分を占める傾向にあります。
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後継者候補では、「長男」とする割合が「決定企業」で33.7%、後継者候補がいる「未定企業」で33.5%と、依然として親族内承継の割合が高くなっています。ただ、割合的には前回調査から低下しており、親族以外を後継者候補とする割合が上昇しています。
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「廃業予定企業」の廃業理由は、「そもそも誰かに継いでもらいたいと思っていない」が 45.2%と最も高い割合となりました。その理由としては「経営者個人の感性 ・個性が欠かせない事業だから」といった、経営者の属人的な資源や能力に負う部分が大きいとする回答が多く挙げられました。
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そのノウハウや情報等が無形資産として価値が高いのであれば、引継ぎの仕方の多様化も含め、第三者機関等が掬いとり、社会に活かす仕組みが必要になります。
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外部機関や専門家などから支援を受けたいかどうかを尋ねたところ、事業承継に向けた経営状況・経営課題の把握について「将来支援を受けたい」との回答が、「決定企業」で 15.6%、「未定企業」で19.7%となりました。
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そもそも「決定企業」の7割近くが、事業承継の際に問題になりそうなことを抱えると回答になっていて(「後継者の経営能力」28.0%、「相続税・贈与税の問題」22.9%、「後継者による株式・事業用資産の買い取り」22.5%等)、潜在的な課題をかかえているようです。
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急速な少子高齢化の傾向は、地域経済を支える中小企業にも大きな影響を与えています。国の施策も経営承継円滑化に向けて、事業承継税制や所在不明株主対応の会社法特例、経営者保証の緩和および金融支援等の多様な支援制度が用意されています(特例事業承継税制の特例承継計画の提出期限が2024年3月31日まで(1年延長))。
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自社にあった制度活用やオーダーメードの対策ノウハウの享受は、専門家との連携が必須となります。JPBMでは、事業承継委員会を中心として、9士業の連携ネットワークを活かし中小企業の事業承継支援を進めています。変わりゆく経営環境とニーズを捉えながら、適切な支援で対応します。是非ご相談ください。
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