なるか「成長と分配の好循環」!令和4年度予算案と中小企業対策
財務省は、広報誌「ファイナンス」2月号において、令和4年度予算について特集しています。
冒頭において、少子高齢化が進む中、社会保障の受益と負担のアンバランスという構造的課題に直面しているとの認識を示し、「経済財政運営と改革の基本方針2021」等における2025年度のプライマリーバランスの黒字化目標等の達成に向けて、歳出・歳入両面の改革を行ったとしています。
令和4年度予算のポイントは、令和3年度補正予算と一体として編成し、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」実現を図る予算としています。
全体の柱を以下3項目にまとめており、(1)感染拡大防止:医療提供体制の確保、ワクチン接種体制の整備、治療薬の確保等、引き続き5兆円の対策予備費を措置
(2)「新しい資本主義」の実現:①成長戦略として、過去最高の科学技術振興費を確保し、デジタル、グリーン、量子、AI、宇宙、次世代半導体等の研究開発の推進で5兆3,901億円計上。
また、「デジタル田園都市国家構想」実現に向け、デジタル庁について情報システム関係予算の一括計上等を推進。「経済安全保障」について、量子暗号通信の研究開発の推進や重要技術の管理体制等を強化。
②分配戦略として、医療機関の現場で働く方について給与を3%引上げ。更にデジタルなど成長分野を支える人材育成等への投資を推進。
(3)メリハリの効いた予算:社会保障関係費36兆2,735億円(高齢化により4,400億円程度増)、非社会保障関係費(330億円増)。結果として、前年度予算比較で、新規国債発行額の減額(43.6兆円⇒36.9兆円)予算、としています。
全体のフレームとしては、一般歳出が67兆3,746億円、地方交付税交付金等15兆8,825億円及び国債費24兆3,393億円で、一般会計総額は107兆5,964億円となります。歳入については、租税等の収入65兆2,350億円、その他収入は5兆4,354億円を見込み、公債金は36兆9,260億円となっています。
その他概要は以下の通り。〇地方財政関係費:15兆8,825億円〇防衛関係費:5兆3,687億円〇公共事業関係費:6兆575億円〇中小企業対策費:1,713億円〇エネルギー対策費:8,756億円〇農林水産関係予算:2兆2,777億円〇令和4年度東日本大震災復興特別会計の総額:8,413億円。
相対的に中小企業対策の割合が減少しており、経済の成長戦略やデジタル化に対応できる中小企業支援へのシフトが見て取れます。
JPBMでは引き続き9士業専門家を通じて、経営課題の最適解を提示することで、強い中小企業への経営革新を支援します。