ゼロゼロ融資の先には何が?規律が追加支援か
世界経済に大きな打撃を与えたコロナウイルス感染症ですが、大規模な金融支援により、ゼロゼロ融資(コロナ関連融資)の額は、ちょうど1年前の4月末時点で、民間金融機関で35.5兆円、政府系金融機関で20.9兆円に上っています。
ゼロゼロ融資は、元金の返済が猶予される据置期間を1年~2年に設定しているケースが多く、今年から元金の返済を開始する事業者が多くなると言われています。
ただし、まだオミクロン株による感染再拡大の懸念もくすぶり、依然経営環境が厳しく返済に困難をきたす企業もでてくるでしょう。
政府系金融機関のトップインタビューを見ると、融資先の対象の違いから、おのずと見通しに温度差が生じております。
日本政策金融公庫では、2020年4月から21年3月に実施したコロナ融資が、9カ月後の12月で条件変更や追加融資を行った企業は10.6%。その2年前の状況よりも逆に2%ほど抑えられているといいます。
前提として業績が悪化して回復できない企業に公的機関の援助で延命させているといった状況は総じていない、と強調します。
日本政策投資銀行によると、上場クラスの企業は業界によって回復度合いがむしろ広がっていると言います。現状ではコロナ後の脱炭素の取組みやサプライチェーンの組み換えに向けた連携先の摸索等に重点が移ってきているとしています。
報道では、富裕層や訪日観光客狙いの銀座高級ホテルの新規開業が動き出しているといいます。世界的にはすでにコロナウイルス禍の収束を見据えた投資が活発化しているようです。
商工中金は、ゼロゼロ融資の返済は今年中盤から後半に始まってくるとして、100%返済を終える前に追加融資の要望がでてくる、その時民間の金融機関は自社のリスクでやり切れるかが今年後半の注目点になるだろう、としています。
いずれにしても、中小企業等は今後コロナ下における経営努力の差が明確に出てくると言われます。経営効率や生産性の向上への努力、サービスの見直し等将来への投資がどこまで判断できるか。
JPBMでは、コロナウイルス後を見据えた企業の経営基盤の強化とIT導入の支援に、本格的に取り組む予定です。地域企業の経営基盤強化を支援するサービス提供の準備を進めます。