中小企業におけるDXとは?「エクセル経営」の本当の効用を探る
昨年からDXやデータ経営等の導入が強く叫ばれており、政府の施策や予算方針からも、国を挙げて経営のデジタル化を推進しようとする意志が感じられます。
もちろん、中小企業を中心に生産性の向上や経営の効率化は急務であり、今後の日本経済の復活および再攻勢の重要なエンジンになることは論を待ちません。
ただし余力・体力のない中小企業にとり、社員が未消化なまま闇雲に補助金等を活用したIT化や設備投資を行えば、本来の効果が発揮できずやがて使われなくなってしまいます。
今「しない経営」と「エクセル経営」で話題の作業服・安全靴等専門店チェーン「ワークマン」。仕掛け人の土屋専務取締役は、
昨年出版した書籍「ワークマン式「しない経営」」に、ワークマン快進撃の秘密を余すところなく記載しています。
また企業の成功スキームの好例として、ウェビナーやインタビュー等引っ張りだこです。その中から「エクセル経営」のポイントを抽出すると、
・入社当初、未知の業界をかじ取りできるのは、データしかないと思った。
・今、作業服業界では圧倒的シェアがあるが、競争力を保てるような仕掛けは社員の頑張りに依存してもダメ、突出した人に頼る経営もダメ。
・「凡人の凡人による経営」で、100年続けられる経営ができるマニュアルを実現しなくてはならない。
・自働のツールに頼らず、自分の頭で考えなければダメで、それを「データ経営」などで作り上げていく。
・場合によってはエクセルでアルゴリズムを作ってしまう方が良い。
・DXなんて言葉は表面的であり、本質は自分がX(トランスフォーム)さえしていけば、D(デジタル)なんて何でも良い。
要は、社内に埋もれているデータを使いこなすのは社員であり、経営にとって欲しい情報(BI)を社員自身が理解し見つけ出すことがDXの第一歩、と聞こえます。
そのための道具は、安くて自作が利いて人的スキルアップを促すものが適切、となればエクセルが改めて評価されるべきでしょう。
JPBMでは先般「特例リスケジュール計画」策定支援セミナーを開催し、約80名の認定支援機関のご参加を頂きました。
また、「経営データ活用検討会」では「中期経営計画」策定支援や「中長期シミュレーション」の策定、「資金繰り」や「モニタリング」等の支援ノウハウを学んでいます。
道具はすべてエクセル。今後も継続して中小企業に効果のある「エクセル経営」やエクセル版「DX」を進めます。