日本経済浮上の起爆剤となるか、期待される国際卓越研究大学(仮)の取り組み
IMD(国際経営開発研究所)が作成する2021年「世界競争力年鑑」によると、日本の総合順位は64カ国中で31位(2020年34位)となっています。
当該年鑑スタート時の1989年から4年連続1位だったころから右肩下がりを続け、今ではアジアの主要各国と比べても8番目に位置づけられています。その事実に昨今はさして驚きと悔しさも伴わず受け入れられている様子さえあります。
なかでも「経営プラクティス」分野関連の項目では、企業の意思決定の迅速性(64位)、機会と脅威への素早い対応(62位)、ビッグデータ分析の意思決定への活用(63位)、起業家精神(63位)の4項目は昨年に引き続きいずれも最下位グループとなっています。
また優秀な留学生の交流は言うに及ばず、経済の要請に見合った大学教育(54位)やビジネスニーズに見合った経営者教育(55位)の評価も最下層です(三菱総合研究所資料より)。
政府は現状打開すべく日本発の先端技術の開発およびグローバルなビジネス展開の基礎作りを目指し、世界トップレベルの研究力に向けた10兆円規模の「大学ファンド」の最終案を取りまとめました。
ファンドの運用益で支援する大学の呼称を「国際卓越研究大学(仮)」とし、年数百億円ずつ支援する予定です。大学側には、経営方針に外部の声を取り入れる仕組みを要求し、今までにない開かれたガバナンス改革を強制します。
まだ、最終案の段階で今後法制度に向け詰めの議論が行われる予定ですが、経団連等経済界の反応は鈍いようで、どこまで日本復興の起爆剤としての効果が見込めるのかは不透明のようです。
コロナ禍の中で急激な経営革新を迫られる中小企業の進展が、同様に日本経済の下支えおよび浮沈の鍵を握っていることは、360万社という規模からいっても明らかでしょう。
賃金の引き上げや生産性向上、組織間の連携や業務連携強化、IT・デジタル化等の課題対応等が急務であり、それには「強い」企業への脱皮支援をハンズオンで行える専門家の助言や支援が不可欠です。JPBMでは、専門家事務所の顧客との関係性を再構築しながら、次世代にあった支援展開を進めます。