一般社団法人の課税逃れや小規模宅地評価減特例の要件にメス、求められる事業承継相続対策に向けた最適提案
平成30年度税制改正の資産課税において、相続対策として昨今行われてきた節税スキームへの封じ込め策が盛り込まれました。
(1)一般社団法人等を利用した課税逃れ対策と、(2)小規模宅地等の評価減の「家なき子」特例を使った対策への網かけです。
(1)は、一般社団法人等に持ち分が存在しない仕組みを利用し、同族で実質的に支配する財産を同法人に移転し、役員交代等の支配権移転により子や孫に相続税非課税での財産移転を行う手法です。
今回の改正で特定一般社団法人(同族役員が過半数を占める等)の役員に相続が発生した時に、同法人所有の純資産額の一定割合に相続税が加算されます。
また個人から一般社団法人に贈与があった場合の贈与税の課税関係が明確化されます。
(2)は、80%の評価減からもれてしまう同居していない子供でも、その個人の住居が持ち家でない場合は一定の要件のもと対象と認める特例制度です。
今回の改正で要件が見直しされ、形式だけ整えるような方法では適用できなくなります。
特に一般社団法人の租税回避スキームは防止規定が緩いとの意見もあり、将来税制が強化されるリスクがあるとの指摘もされてきました。
専門家の提案スキームの中で、将来を見越した本質的なスタンスが問われる例かもしれません。
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