各省の令和3年度税制改正要望でそろう、コロナ禍対応や事業承継支援等
例年からほぼ1カ月遅れで、令和3年度の税制改正要望が各省からラインアップされました。年頭からは全くの想定外といえる新型コロナウイルス感染症にむけた支援対策は関係各省の施策の随所に組み込まれています。
また、中小企業の事業承継やM&Aに向けた施策も引き続き挙げられています。併せてデジタル化やリモート化の推進を後押しする支援税制も見られます。以下目立った項目を挙げてみます。
【金融庁】○第三者への事業承継について、譲渡益課税を猶予する措置を講じること(創設)。
○中堅・中小企業向けプロパー融資の前年度比増加額の一定割合について、損金として認められる税制特例を創設すること(創設)。
○一定の事業再生ファンド(金融庁長官及び経済産業大臣による指定)の債権放棄について企業再生税制を認める特例措置を復活させること(※平成25(2013)年度税制改正で事業再生ファンドの債権放棄についても企業再生税制の適用が認められた(2019年3月末まで))。
【総務省】総務大臣の計画認定を受けて一定のセキュリティ水準を確保したサテライトオフィスの整備を行う企業が、その整備に際して取得した設備に関し、①法人住民税及び事業税並びに②固定資産税の減免措置を行う(創設)。
【経済産業省】○「株式交付」制度を踏まえ、機動的な事業再構築を促すため、自社株式等を対価としたM&Aにおける被買収会社株式の株式譲渡益に対する課税繰延を措置する。この際、事前認定を不要とするなど実効的、かつ恒久的な制度とする(創設)。
○ウィズコロナ/ポストコロナ社会に向けて、地域経済・雇用を担おうとする中小企業による経営資源の集約化等を支援するため、必要な税制措置を創設する。
【国土交通省】○土地に係る固定資産税の負担調整措置等の延長と経済状況に応じた所要の措置等
○新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けた交通運輸等について、資金繰り対策に資する所要の措置