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ソコが知りたい(38)『適格合併の該当と繰越欠損金について』

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一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答えるFAX相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。

相談

『適格合併の該当と繰越欠損金について』

有限会社S(以下(有)S)とM株式会社(以下M(株))を合併します。
手順は下記の通りです。

①(有)Sを合併法人、M(株)を非併合法人として合併する。

②有限会社は合併法人になれないため、(有)Sを株式会社へ組織変更する。

③両者の株主及び親族関係は次の通りです。
・(有)Sの株主名簿
A((有)Sの代表者 Eの長男)20株
B(F・Hの長男)20株
C(G・Iの長男)20株

・M(株)の株主名簿
E 1,532株
A(Eの長男)2,200株
D(Eの次男)2,200株
F 2,000株
H(M(株)の代表者 Fの妻)1,600株
B(F・Hの長男)1,000株
G 2,000株
I(Gの妻)1,600株
C(G・Iの長男)1,000株)
知人 468株

④M(株)の株主名簿について知人が所有している468株をEへ額面で譲渡する

⑤合併比率はM(株)の相続評価額が0円となるため、類似業種批准価額と純資産価額の折衷価額で合併比率を計算する。

⑥適格合併の判定について
・被合併法人であるM(株)の株主には(有)Sの株式のみを交付する。
・同一者により100%支配となっている。
・合併後も100%を継続する。

⑦被合併法人であるM(株)の繰越欠損金の引継ぎについて
・適格合併である
・特定資本関係がある
・(有)Sは14期、M(株)は37期であり、当初から特定資本関係がある。

質問1 以上の条件により、この合併が適格合併に該当しますでしょうか、また被合併法人であるM(株)の繰越欠損金を合併法人に引き継げますでしょうか。

質問2 M(株)の繰越欠損金は平成25年10月31日に土地を合併法人である(有)Sに売却した時に発生したものです。今回、その繰越欠損金を(有)Sが引継ぐ予定ですが、その発生過程は問題ないでしょうか。

回答

適格合併に該当する条件の考え方

提示された条件のうち、適格合併に関して問題になる事実関係について検討します。
1 被合併法人M(株)の株主間で親族の範囲に入らない株主(IとH)が含まれている。
2 合併法人(有)Sに親族以外の株主(知人)が所有していた株式を同法人の代表者に譲渡した。
3 M(株)の繰越欠損金は、合併法人(有)Sに土地を譲渡した際に発生したものである。

1について
適格合併は株式保有要件又は共同事業要件にいずれかを満たす合併で、被合併法人の株主等に合併法人株式又は合併親法人株式のいずれか一方の株式又は出資以外の資産が交付されないものをいい(法2十二の八、令4の3①~④、株式保有要件のうち、「一の者との間に当事者間の完全支配の関係…」の一の者が個人である場合には、その者の親族が範囲に該当する(令4①)。
本件の場合、合併法人(有)Sの株主(A・B・C)のいずれから見ても全員親族になるので当事者間の完全支配の関係になります。

2について
従来、子会社を吸収合併する場合子会社の少数の外部株主に対して親会社株式ではなく金銭等を交付した場合は非適格合併とされていました。
しかし、平成29年10月1日以後に行われる吸収合併については、合併法人が被合併法人の株式の3分の2以上を有する場合には、少数株主には「株式以外の資産」を交付しても適格要件を満たすように改正されました(法2十二の八)。
本件の場合、譲渡の時期は不明ですが合併前に被合併法人M(株)の代表者が購入するので、直接上記の事実には該当しないと認められます。
なお、取引価額は額面ではあるが第3者取引と認められるので特に問題はないと思われます。

3について
適格合併が行われた場合、合併法人は被合併法人の有する繰越欠損金を引き継ぐのが原則ですが、意図的な租税回避行為を防止するため(完全)支配関係のある法人間で適格合併が行われた場合、被合併法人が有する繰越欠損金のうち、一定の額が次の要件のいずれにも該当しない場合は、引継ぎが認められないものとされています(令57③、令112③)。

【要件】
支配関係発生から合併事業年度開始の日まで5年を経過しているか、または、設立時から支配関係があるか、

【一定の額】
・支配関係事業年度前に生じた繰越欠損金
・支配関係事業年度以後に生じた繰越欠損金のうち、特定資産譲渡等損失額に相当する金額

本件の場合、合併法人及び被合併法人とも支配関係発生から合併事業年度開始の日まで5年を経過しており、その合併が適格合併と認められる限り、被合併法人M(株)が保有する青色欠損金を、合併法人(有)Sが引き継ぐことができると認められます。

 

※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。

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