一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答えるFAX相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。
相談
『譲渡所得の特例適用について』
個人で1Fを事業用、2Fを居住用として使用されている方が土地、建物(取り壊した上で売却の可能性有り)を売却する際に利用できる譲渡所得の特例についてお伺いいたします。
上記のように居住割合が50%の方が土地(建物)を売却した場合において、事業用の部分において適用要件を満たすと仮定して、居住用の3,000万円控除および軽減税率の特例と併用して事業用において「優良住宅地の造成等のための譲渡の課税の特例」を使用することは可能でしょうか。
なお便宜上、上記の土地(及び建物)の販売価格は1億円とし、取得費用、譲渡費用は考慮しないことを前提としております。
回答
1 事業併用住宅である譲渡資産のうち居住用部分が措置法第35条第1項の適用要件を満たす場合には、居住用部分の譲渡所得について、措置法第35条第1項の居住用財産の譲渡所得の3,000万円控除の特例の適用を受けることができます。
なお、建物を取り壊して土地のみを譲渡する場合には、措置法通達35-2の要件を満たす場合に限り、その土地のうち居住用部分の譲渡所得について、居住用財産の譲渡所得の3,000万円控除の特例を適用することができます。
2 事業併用住宅である譲渡資産のうち居住用部分の譲渡所得について居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特例の適用を受ける場合には、事業併用住宅である譲渡資産のうち事業用部分の土地の譲渡が措置法第31条の2第2項に規定する譲渡に該当し、かつ、その譲渡所得が長期譲渡所得に該当すれば、事業用部分の土地の長期譲渡所得について、措置法第31条の2第1項の優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の税率軽減の特例を適用することができます。
措置法第31条の2第1項の優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の税率軽減の特例と、同法第31条の3第1項の居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の税率軽減の特例を併用して適用することはできません(措法31の3①)。
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