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JPBM PLUS MAIL NEWS No.146

令和3年4月2日

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JPBM PLUS MAIL NEWS No.146 をお届けいたします。

来るべき相続税と贈与税の一体的課税制度と、実務課題への対応

令和3年度税制改正(所得税法等の一部を改正する法律案)が国会で成立し、4月1日に施行されました。

今回の直接の改正事項には含まれませんでしたが、税制改正大綱の「基本的考え方」の中に、「資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税に向けた検討」として、資産税の今後の改正の動向が大きな注目を集めました。

趣旨としては、○高齢化等にともない、高齢世代に資産が偏在するとともに、相続による資産の世代間移転の時期がより高齢期にシフトしており、若年世代への資産移転が進みにくい状況

○資産再分配機能の確保に留意しつつ、資産の早期の世代間移転を促進するための税制の構築が重要課題

○現在の贈与税は相続税の累進回避を防止する観点から、高い税率が設定されており、生前贈与に抑制的に働いている。一方で現在の税率構造では、富裕層による財産の分割贈与を通じた負担回避を防止するには限界がある

○今後、資産移転のタイミングにかかわらず、税負担が一定かつ税負担の回避も防止される工夫が必要

○それらを踏まえて、相続税・贈与税をより一体として課税する観点から、「相続時精算課税制度」と「暦年贈与制度」の在り方を見直す、としています。

政府税調の資料にも出ていますが、格差社会を生み出している一要因として相続税・贈与税の関係が挙げられています。

つまり富裕層が暦年贈与を使って親族に財産を移すことで、対策を打たずに相続税で一挙に財産移転する場合と比べると、かなりの節税になります。

例えば10億円の財産では上記どちらを選択するかで課税額におよそ2000万円の開きがでてきます。

そのほか、実務的な課題としても、例えば、贈与財産において贈与時に価額固定されることで、相続時に納税者に有利不利が生まれる問題、また第1世代から第3世代以降への跳躍継承等における相続税の2割加算の問題、

あるいは想定される相続税負担の増加に伴う基礎控除や税率の見直し等が課題として挙げられます。

JPBMでは、事業承継委員会を中心に、見込まれる新たな制度改正によって発生する実務課題に向けて、専門性の高いソリューションを提供します。

小規模事業者に向けたコロナ対策支援、ニューノーマルに新たな取り組みを

中小企業庁はこのほど、令和2年度第3次補正予算「小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」の公募を開始しました。

同事業は、小規模事業者が新型コロナウイルス感染症感染防止と事業継続を両立させるため、対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行い、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組を支援するものです。

小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む契機としても期待されます。

補助対象者は、小規模事業者であること(商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援法)に基づき、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断します。

業種別の従業員数等は以下の通りです。○商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)⇒常時使用する従業員の数5人以下○サービス業のうち宿泊業・娯楽業⇒常時使用する従業員の数20人以下○製造業その他⇒常時使用する従業員の数20人以下 ※小規模事業者支援法では、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断しています。

補助金額等は、【補助上限】100万円【補助率】3/4※感染防止対策費については、補助金総額の1/4(最大25万円)を上限に補助対象経費に計上することが可能です

(緊急事態宣言の再発令による特別措置を適用する事業者は政策加点の他、補助金額総額の1/2(最大50万円)に上限が引上げられます)。※緊急事態宣言再発令による特別措置の適用対象者とは、緊急事態宣言の再発令によって2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が、対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者をいいます。

【その他】2021年1月8日以降に発生し発注・契約・納品・支払い・使用が行われた経費について遡及適用が可能です。公募要領公表は2021年3月31日(水)で、第1回受付締切は2021年5月12日(水)になります。

JPBMでは、コロナ禍において大きな影響を受けた中小・小規模事業者様への支援を、施策等を通じて各地域の会員専門家が展開しております。何なりとご相談ください。

ICT/AIを取り込んだ付加価値業務に見る税務専門家の可能性

日本税理士会連合会は、会長の付設機関である国際税務情報研究会(会長:中里実東京大学名誉教授)に、「主要国の税務行政のICT/AI化の展望と未来の税務専門家制度について」を諮問し、令和3年1月末に、これに対する答申が出されています。

答申の後段においては、「未来の税務専門家制度についての考察(結論)」として、概ね2030年ごろをイメージして、記帳代行、税務書類の作成、定型的な税務相談などの業務は RPA や ICT/AI ツールによって代替され得るとしながら、

税務代理・税務調査の立会、税務争訟における陳述や意見開示、非定型的な業務はその業務特性や規制(法規制及び自主規制)から AI には代替されないと説いています。

さらに、ICT や 5G の普及により、地域差を超えて、納税者とコミュニケーションすることが可能となり、特定分野に特化した税務専門家に対し、より広い地域からの業務依頼が集中する可能性は高いとしています。

特に、非定型的な業務としては、組織再編、国際税務、相続対策、事業承継、スタートアップなどの事前相談的、かつ、税務以外の周辺領域の知見も必要とされるものが想定され、

当該税務専門家にとっては、一定のコストを受容すれば、周辺領域を含んだビッグデータに基づく AI をツールとして活用することが有益だろうとしています。

ただし、「委嘱者やその委嘱内容の多様性に適応した税務専門家側の多様化」が想定され、一括りに捉えることは難しいとしています。

また、税理士の類型化モデルとしては、「記帳代行タイプ(税理士1.0)」~「自計化支援タイプ(税理士2.0)」~「顧問タイプ(税理士3.0)」

~「得意分野ネットワークタイプ(税理士4.0)」~「特定分野AI当活用タイプ(税理士5.0)」等の多様な税理士が共存していくと予想しています。

この類型は固定的ではなく各モデルが複数存在したり移行・変形したりしながら顧客ニーズに合わせて多様化が図られそうです。

結果的に、「税務専門家の将来性」については、コンピュータリゼーションに代替され消滅する等の事態は生ぜず、「税理士5.0」等のICT/AIを主体的に取り込んで業務に活用する場合、社会的な価値が飛躍的に増大する、とまとめています。

JPBMは、社会的ニーズの変化に即した新たな専門家の機能を見極めつつ、会員専門家が中小企業の多様な経営課題に対応できるよう支援します。

JPBMからのご案内

JPBM「特例リスケ」取組みが金融関連専門誌に掲載されました
http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file656.pdf

「2021年改正税法の手引き」等のご案内(JPBM会員向け)http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file645.pdf

「2021年改正税法の手引き」等のご案内(専門家向け)
http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file646.pdf
 

コロナ禍の金融支援を踏まえた認定支援機関業務の新たな取り組みのご案内http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file643.pdf

OSS会員研修等のご案内

OSS会員研修(第1回経営データ活用検討会)配信のご案内
http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file660.pdf

OSS音声ライブラリー(第3回経営データ活用検討会)配信のご案内http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/20210316781.htm

OSS会員研修(提案力コンテスト)配信のご案内http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file657.pdf

OSS音声ライブラリー(第2回経営データ活用検討会)配信のご案内http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/20210222775.htm

「特例事業承継実務支援ツール」のご案内http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file550.pdf

経営改善計画策定支援事業EXCELシステム」のご案内
http://www.jpbm.or.jp/whatsnew/honbu/file/file526.pdf

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*会員新刊書籍ご紹介*

 

【書名】『中小企業の資金調達大全』

【著者】塩見 哲

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