国際課税の総合的な見直し
国際的な租税回避や脱税は、企業の公平な競争条件を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな問題です。この問題を解決するために立ち上げられた「BEPSプロジェクト(注)」を、日本は主導してきました。
こうした流れを受けて、「外国子会社合算税制(外国子会社を利用した租税回避を防止するため、一定の条件に該当する外国子会社の所得を日本の親会社の所得として合算課税する制度)」について、日本企業の海外展開を阻害することなく、より効果的に国際的な租税回避に対応できるよう総合的に見直します。
具体的には、合算の判断基準となる租税回避リスクを、外国子会社の税負担率により把握する現行制度から、所得や事業の内容によって把握する仕組みに改めます。その際、一定の金融所得や実質的活動のない事業から得る「受動的所得」は原則として合算対象とし、経済活動の実体のある事業から得る「能動的所得」は、外国子会社の税負担率にかかわらず、合算対象外とします。見直しに当たっては、企業の事務負担に配慮します。新制度は、平成30年4月1日以後に開始する外国子会社の事業年度から適用されます。