10月13日(金)、株式会社JPBM主催の第14回民事信託検討会が開催されました(会場:三井住友信託銀行大手町本店会議室)。弁護士、司法書士、税理士等の事業承継・相続対策のプロフェッショナルが集まり、実際に取り組んでいる案件をテーマにして、実務上の留意点や気付き、ボトルネックになっている箇所やその解決策等を複眼的に検討しました。
今回は、複数の新案件について報告があり、これまで以上に活発な意見交換が行われ、テーマをこえて民事信託全般にまで議論が広がりました。例えば、相談者より民事信託を前提にした実務対応を要望された際、相談者が受託者(予定)の方であった場合は、委託者ではなく受託者のための民事信託スキームとなってしまい成立しないことがあります。ですが最近は、十分な検討をせずに進めてしまいトラブル要素を抱えたスキームとなっているものが増えてきているそうです。
使い勝手の良い民事信託に可能性を感じ、また富裕層向けの民事信託セミナーなどが増えることで、民事信託は一般の方へも徐々に知られるようになってきました。このような普及の兆しを感じさせる一方で、上記のような課題が出てきていることを踏まえると、専門家としてより一層高い見識と実務力が求められるフェーズに入ったことを共有しました。今後も民事信託検討会では、「民事信託は選択肢の1つ」というスタンスと多士業による複眼的視点で、実務に直結する検討を重ねていきます。