一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答えるFAX相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。
相談
『雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除について』
横浜市の「子ども子育て支援制度」において、幼稚園の職員の処遇改善を目的として、給付費を加算する制度があります。この給付を幼稚園が受けることにより、その給付額は全額が必ず職員の賃金に充てられることになりますが、これによって雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除を使うことは可能でしょうか。
「給与等に充てることを目的に労働者の雇入れ人数に応じて政府等から支給される助成金の額は雇用者給与等支給額から控除する」(措置法10の5の4②三、42の12の4②三)とされています。
当該加算による給与等増加額を雇用者給与等支払額(税額控除の適用要件の判定および控除額計算に使われる支給額)に含めることができるのか、それとも除かれるのか、という質問になります。
回答
雇用者給与等支給増加額の計算の基礎となる雇用者給与等支給額は、雇用者に対する給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額とされており、「他の者から支払を受ける金額」には労働者の雇入れ人数に応じて国等から支給を受けた助成金の額が含まれます(措法10の5の3②三、42の212の4②三、措通10の5の3-3、42の12の4-2)。
ご照会の横浜市から「子ども子育て支援制度」に基づき幼稚園の職員の処遇改善を目的として交付を受ける給与加算金は、前記の「他の者から支払を受ける金額」に該当します。
※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。
※JPBMへの経営相談をご希望の方は、下記フォームよりお問合せください。