一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答えるFAX相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。
相談
『相続税評価額の時期について』
Aさんは昨年より自分の所有地にアパートを建築していましたが、今年完成し、引き渡しを受けました。
正確には平成29年1月25日に引き渡しを受け、1月27日時点では、9世帯中3世帯が入居していました。しかしAさんは、平成29年2月に急逝しました。平成29年12月までに相続税の申告をしなければなりませんが、その際のアパートの評価はどのようにすべきでしょうか。
市の固定資産税課の話では平成30年1月1日時点での評価しかできないとのことでした。
所轄税務署では、請負金額の7割を相続税評価額にして申告するようにとの指導でした。
ほかの評価方法はないのでしょうか。
回答
ご照会のアパートの相続税評価額は、国税庁の実務上の取扱いによれば、次により計算することになります(財産評価基本通達89、89-2(2)、93、国税庁HP>税について調べる>質疑応答事例>財産の評価目次一覧>増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価)。
[(請負金額-償却費相当額)×70%]×(1-借家権割合×賃貸割合)
(注)償却費相当額は、次の算式で計算した金額です。
(請負金額×0.9)×(経過年数/耐用年数)
※経過年数は、アパートの引渡しを受けた日から相続開始の日までの期間の年数(1年未満の端数切り上げ)です。ご照会の事例の場合は1年となります。
耐用年数は、減価償却資産の耐用年数に関する省令に規定する耐用年数です。
※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。
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