一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答えるFAX相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。
相談
『「紹介業務に関する覚書」の課税文書の判定について』
株式会社Aと株式会社Bとで下記の通り、覚書を締結しました。
この覚書について、課税文書に該当するか否かの判定をお願いいたします。
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回答
1 印紙税上の課税文書
(1)印紙税法別表第一に掲げる文書により証明されるべき課税事項が記載されていること。
(2)当事者間において、課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
(3)印紙税法第5条の規定による非課税文書でないこと。
以上の要件のすべてに該当する文書をいいます。
2 本件の「紹介業務に関する覚書」の課税の可否の検討
(1)「請負に関する契約書」(第2号文書)
請負は、当事者の一方がある仕事の完成を約し、相手方がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約で、本件契約書はある一定の成果や結果を約束する契約ではなく、一方の情報提供により売買契約が成立した時に、紹介業務が成立し一定の報酬を支払うことを訳した契約書で「請負」ではないので「請負に関する契約書」に規定する文書には該当しません。
(2)「継続的取引の基本となる契約書」(第7号文書)。
第7号文書は、契約当事者間において何回も同じような取引が反復継続する場合において、取引に共通して適用される一定の取引条件をあらかじめ定めておく契約書のことをいい、政令(令26条)で定めるものをいいます。
本件紹介業務は令26条の1号から5号のいずれにも該当しないため、7号文書の「継続的取引の基本となる契約書」には該当しません。
従って、上記1のいずれにも該当しないと認められますので、課税文書にはなりません。
※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。
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