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ソコが知りたい(66)『自己株式を取得した場合の税務処理について』

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一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答える事例相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。

相談

『自己株式を取得した場合の税務処理について』

甲法人(資本金1600万円の中小企業)が以下の条件で、個人C及びD法人から自己株式を取得した場合の税務処理について教えてください。

株主構成 A個人 140株 43.75%
     B個人 140株 43.75%
     C個人 20株 6.25%
     D社(Cの関連法人) 20株 6.25% C+D=12.5%
額面50,000円 発行株式 320株
期末純資産額(帳簿価額)34,000,000円・・・1株当たり106,250円

個人Cは経営に関与していなかったので、C及びDの所有株式を甲法人が、額面の半額である1株25,000円で自己株式として買い取った場合の税務上の取扱いについて教えてください。

 

回答

1.1株当たりの純資産価額(帳簿価額)106,250円である株式を25,000円で買い取ることについて両者が納得の上であることを前提とします。

2.自己株式の取得は資本取引ですから、甲法人に損益は発生しません。
仕訳は (自己株式)25,000円 / (現預金) 25,000円
自己株式はB/S上は、資本の部の末尾に「自己株式」として記載します。

3.ネット情報では「ただし、株主から株式を時価の半額以下で取得した場合は、時価と取得価額との差額は受贈益とみなされて課税対象となります」とありますが、正確には、100,000円の時価の株式を50,000円で自己株式として買い取った場合には、時価との差額の50,000円は、譲渡した株主からその他の株主へ贈与したものとして扱われるということだと思います(贈与税の対象になります)。
売主が法人である場合には、売主においては50,000円の譲渡益と寄附金、その他の株主は一時所得の対象ということになると思います。

4.照会の事例の場合の株式の評価は、A及びBは「30%以上50%以下」で「30%以上」所有ですから、「原則的評価方式」となります。しかし、Cのグループは、「30%未満」ですから「同族株主以外の株主」となり、「配当還元方式」によることが認められます。

5.質問の事例では、Cにおいては25,000円の譲渡損、Dにおいては25,000円の譲渡損が発生します。

※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。

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