一般社団法人JPBM(日本中小企業経営支援専門家協会)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答える事例相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。
相談
『完全支配会社からの受取配当金の取使いについて』
次のような株主構成の関係にあるA社とB社間の配当は、受け取り側では全額益金不算入でよいでしょうか?
A社 発行株式総数 100,000(株) 株主 B社2,500株 C氏(代表者と妻、親族)97,500株
B社 発行株式総数 2,000(株) 株主 A社400株 C氏(代表者とその子)1,600株
昨年10月末に、A社はB社の持分2,500株を、B社はA社の持分400株をそれぞれ自己株式として買い取り、みなし配当が発生しています。
このみなし配当は、完全支配関係がある法人からの配当として、A社、B社ともに全額益金不算入としての処理で構わないでしょうか?
回答
A社とB社との関係は「完全支配関係」にありますので。受取配当等の益金不算入については「完全子法人株式等に係る配当等」に区分され、全額益金不算入となります。
・完全支配関係の有無
これに該当するかどうかは、法人税法施行令第4条の2(支配関係及び完全支配関係)の第2項に規定されています。
一の者(質問ではC氏、その同族関係者を含みます)がA社の全株を保有する場合(C氏と完全支配関係がある法人を含みます)と規定されています。
A社とB社が相互に持ち合っている株式は除外して差しつかえないと考えますので、C氏が100%保有していることになり、完全支配関係となります。
B社についても同様の関係にあります。この関係は、施行令においては「直接関税支配関係」とされています。
※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。
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