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令和5年5月8日
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No.215 再構築補助金見直し/労使間争い2件-最高裁他をお届けいたします。

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再構築補助金等の抜本的見直し
経営データの統合分析進める

中小企業庁は、中小企業等事業再構築促進基金及び事業再構築補助金について、抜本的な見直しを行った上で、4月23日から第12回公募を実施しています。

令和5年11月に行われた行政事業レビュー(秋のレビュー)において、以下の3点が確認されています。
(1)新型コロナ対策としての役割は終わりつつあるので、基金のうちそれにかかる部分は廃止し、もしくは抜本的に事業を構築し直すべき
(2)申請書・財務諸表の精査、四半期ごとのモニタリングといった仕組みが確立されない限り新規採択は一旦停止すべきであり、それができない場合は基金として継続する必要は認められないため、国庫返納して通常の予算措置とすべき
(3)審査の厳格化とデータの収集の厳格化については、引き続き十分な検討が必要。

それらを踏まえ、今回12回公募に関しては以下の見直し策が講じられています。
〇制度的対応について、複雑な支援枠を簡素な形に見直しする(6枠から3枠へ)。新型コロナ対策としての事前着手制度は原則廃止とする。すべての申請枠においてコロナ債務を抱える事業者に加点措置(一部は必須要件化)を講じ、支援を重点化する。

〇事務局審査の改善・体制強化として、採択審査におけるAIでの重複率確認による類似案件排除を強化。一定期間に特定トピックの申請が集中した場合、システム上検知し審査を厳格化する。また、新分野進出の新規性を再検証し、採択後の交付審査・実績審査用システムも刷新する。

〇EBPM強化として、短期アウトカムとしている事業化段階の報告を四半期毎に行うよう義務化。他の補助金の申請データを効果検証に活用する(例えば、不採択者のその後の売上・営業利益等のデータを他の補助金データから連携し、比較等に活用)。

また、補助事業者の情報を共通のデジタルデータで取得する(例えば、貸借対照表の一部や補助事業を含めた企業全体の損益計算書等)。更に、補助事業の効果分析・検証を実施し、結果を公表するとしている。

また、審査の観点として、〇補助金の審査は、事業計画を基に行われます。補助金交付候補者として採択されるためには、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要 〇事業計画は、必ず事業者自身で策定、の2点が強調されています。

応募の締め切りは、2024年7月26日(金)。JPBMでは会員を通じて、新たな制度の趣旨
と見直された要件等に則った対応により、コロナ後の中小企業の経営革新の後押しを実践します。
240507 12回再構築補助金
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労使間の争い2件-最高裁
それぞれ原審に差し戻し


最高裁判所において、4月後半に連続して労使間トラブルの判決が出されましたが、使用者側、労働者側それぞれ勝敗が分かれる結果となりました。

まずは労働者側の主張を認めた判決として、被上告人に雇用されていた上告人が、被上告人から職種及び業務内容の変更を伴う配置転換命令を受けたため、同命令は上告人と被上告人との間でされた上告人の職種等を限定する旨の合意に反するなどとして、被上告人に対し債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求等を主張した事案があります。

上告人は、財団法人Aに、福祉用具センターにおける改造および制作並びに技術開発職として雇用され、その後、財団法人Aから権利義務を承継した被上告人である公的施設の社会福祉センターとの間で、上告人の職種および業務内容を現在の技術職に限定する旨の合意を交わしていました。

その後被上告人は、上告人に対し、その合意を得ることなく総務課施設管理担当への配置転換を命じました。原審は、被上告人が本件配置命令をする権限を有していたことを前提として、権利の濫用とはいえず損害賠償請求を棄却。

それに対して最高裁は、労働者と使用者との間で、職種や業務内容を限定する旨の合意があった場合、使用者には、個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命じる権限はないとし、原審の損害賠償請求に係る部分を破棄し、再度の審理を原審に求め、差し戻しました。

一方、使用者側勝訴判決として、上告人に雇用されていた被上告人が、上告人に対し、時間外労働、休日労働および深夜労働に対する賃金の支払いを求めたのに対し、上告人は、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」(本件規定)に当たるとして、所定労働時間労働したと主張し争われた事案。

被上告人は外国人実習実施者に対し、月2回以上訪問指導を行うほか、来日時等の送迎、日常の生活指導やトラブルの際の通訳等の業務に従事。被上告人は訪問の予約やスケジュール管理を自ら行い、貸与された携帯電話は使用されていませんでした。

タイムカードの労働管理はなく、業務日報の提出確認を受けていました。原審は、賃金請求を一部認めるべきとし、労働時間把握は容易ではないものの、業務日報の確認によるある程度の正確性の担保、および残業手当の支払いの一部事実もあり、本件規定に当たるとは言えないと判断。

最高裁は、件業務は多岐に亘り、直行直帰も許され、随時具体的に指示を受け報告することもない状況から、事業場外における勤務の状況を具体的に把握することが容易だったとは言い難いとして、業務日報の正確性の具体的な検証もないまま、その報告のみを重視した本件規定に対する判断には違法があるとして、敗訴部分を破棄し原審に差し戻しました。

中小企業における労使間の争いは、社内的に十分に整備管理されていない就業規則や管理体制に伴って、使用者側に不利な判決が出やすい傾向にあります。是非JPBM本部経由にて、経験豊富な所属弁護士会員にご相談ください。
240507 労働関係訴訟

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医療費第5版_カバー1
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SWOT分析&BSC を活用したKPI監査の実務と実例
SWOT分析&BSC を活用したKPI監査の実務と実例】(マネジメント社)発行
<著者>
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予実チェックのみの監査から脱却し、業績プロセスまで介入し、モニタリングしないと、顧問先 の業績改善にはつながらない!本書は、 経営コンサルタント、会計事務所、 社労士、 銀行員な ど、企業の経営計画および実績を評価し、経営改善をサポートする専門家のための 「経営監査 の実務教科書」である。 本書によって、予実チェックだけの監査から、 事業内容に踏み込んだ 監査が可能となり、実効ある経営改善計画の策定に寄与できるようになる。 KPI 監査の方法を 詳解するだけでなく、 KPI 監査を指導した5社の実例を紹介している

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231003持分なし移行書籍
【認定医療法人等による持分なし非課税移行の実務】(一般財団法人大蔵財務協会)発行
<編著者>
・JPBM医業経営部部長 松田紘一郎(公認会計士・税理士)
<編集協力>
・JPBM医業経営部
令和5年度税制改正で延長された「持分あり医療法人」から「持分なし医療法人」への贈与税の非課税移行及び定款変更による知事認可を受ける方法について解説。認定医療法人の認定を受けるための複雑な要件を解説するとともに、円滑な移行が進まない場合の法務対応にも言及するほか、ケース別の税額計算や医療法人の贈与税申告書記載例を収録するなど実務目線で解説を充実。

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