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ソコが知りたい(29)『デッドエクイティスワップ(DES)について』


一般社団法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)では、会員専門家どうしの相互支援体制を構築し、質の高い専門家実務の提供を目指しています。ここでは、会員の疑問に高度な知見を持つ専門家が答えるFAX相談より1例をご紹介いたします。類似の事例に直面したとき、又は予防策としてご参考にしてください。

相談

『デッドエクイティスワップ(DES)について』

A社は外国法人(B国所在、以下「親会社」)から出資(100%)を受け設立された内国法人(株式会社、資本金300万円、非上場)です。現在第2期決算が終了し債務超過状態にあります。また、繰越欠損金2500万円および親会社からの借入金(運転資金)3000万円を計上しています。現状でこの借入金についてDESを行った場合についての課税関係等をご教示ください。

【質問】
(1)適格現物出資に該当するでしょうか
移転資産が親会社である外国法人に属する債権(貸付金)のため適格現物出資には該当しないと考えています(法2十二の十四括弧書、令4-3⑨括弧書)。その場合には非適格現物出資となるため、当社の現状からではDESのよる債務消滅益が生じることになり、これが繰越欠損金額2500万円を超える場合には課税所得が生じることになると考えています。

(2)DESによる資本金の増加額の算定方法
原則では資本金の増加額は親会社の有する貸付金(当社向け債権)の時価とのことですが、この債権の時価評価は難しいことから、次の(A)または(B)のいずれかの方法によるのではないかと考えています。
(A)法人税基本通達9-1-13(4)から評価額0円
当社は現状、債務超過状態にあり、時価評価すべき資産も所有していないため、同通達の「~純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」から評価額0円。
(B)法人税基本通達9-1-14の「~子会社に該当するものとして~」から評価において類似業種批准価額が考慮されるため、およそ類似業種の半額程度の評価額(0円ではない)になる。
正しい算定方法をご教示ください。

(3)疑似DESを行った場合
疑似DESには課税関係が生じないのが原則という見解があるようですが、現状での当社がこれを行い、親会社から出資により払い込まれた金銭をその払込後期間を置かずに親会社からの借入金の返済に充てた場合には、当初から計画された一体の取引と認定され、通常のDESと同様に課税関係(債務消滅益)が生じる結果になると思われますが、いかがでしょうか。

以上、上記3点につきましてよろしくお願いいたします。

回答

「デッドエクイティスワップ(DES)について」

(1)適格現物出資に該当するか
貴見のとおり、当社の借入金は外国法人の債権であり、国外資産の現物出資となり、非適格現物出資に該当します。
その場合は、債務者側において新株発行において増加する資本金等の額は、給付を受けた金銭以外の資産の価額(時価)とされており(法令8①一)、現物出資方式によるDESの場合は、資本金等の額の増加額は、金銭以外の資産(債権)の時価相当額となります。債権の時価相当額につき資本金等の額を増加させることになります。本件事例のように債権の時価相当額が額面金額を下回っているときはその差額が債務消滅差益として認識されます。
したがって、その差益が繰越欠損金を超える場合は、課税所得が生じることになります。

(2)DESによる資本金の増加額(非上場株式の時価の算定方法)
上記(1)の時価相当額の算定の基準となる規定については、法人税基本通達9-1-14があります。非上場有価証券の株式の時価については、同通達9-1-13においてその基本ルールが定められていますが、ここに定められているのは一般抽象的な評価の考え方だけであって、実際問題として、これだけで具体的に時価を算定することは、必ずしも容易でない場合も多いと考えられます。
そこで、同通達9-1-14においていわば一つの割り切りとして、法人が非上場株式の時価を算定する場合、財産評価基本通達に定める評価方法の例によってその時価を算定しているときは、法人税法上も、原則としてこれを認める旨が明らかにされています(同通達逐条解説抄)
純資産価額方式を採用する場合、原則の同通達9-1-13(4)では純資産価額を参酌して…と規定されており、具体的には同通達9-1-14(1)を適用することになると思われます。
なお、企業再生税制の適用の取扱いにおける時価(債務者が現物出資により受け入れた債権の受入価額・債権者の取得価額)については「企業再生税制適用場面においてDESが行われた場合の債権等の評価に係る税務上の取扱いについて」(平22.2.22 国税庁の文書回答事例)において、一定の評価方法が確認されています。

(3)疑似DESを行った場合
債権法人(親会社)が採用した一連の行為がDESか疑似DESか不明ですが、親会社が現金を払い込んで、債務法人(当社)から株式発行を受けた経理をしているのであれば、疑似DESを採用したことになり、当社は債務消滅益は生じないで資本金額等が増加するにすぎないと思われます。
親会社が疑似DESを採用した場合、その背景に経済的合理性があるかどうかの事実認定が必要になります。

※内容はあくまで限定された情報に対する参考見解となります。税務、会計、法務およびその他の専門的なアドバイスを行うものではありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家へご相談ください。

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